TEDx南大阪はいったん棚上げ
10/16に京都で開かれたTEDxKyotoに行ってきた。
先日のエントリにも書いたように、TEDx南大阪を開催することが、新しいコミュニティづくりに有効だろうだと考えて、まずは他地域のTEDxを体験してみようと思ったからだ。
(TEDの動画はよく見るが、それはあくまで「動画」でしかなくて、TEDの全体像はまったく違う。当日は、プレゼンテーションが続くセッションがあり、参加者同士、スピーカー/パフォーマーを交えたパーティもある。また当日までには、今回のTEDxKyotoの場合、200人規模のメンバー、ボランティアチームがいて、それらはコミュニティを作って、半年近い準備をしていた。)
行ってみた結論は、「あ、TEDx南大阪計画は、いったん棚上げしよう」というもの。
その理由はまず、「アイデアが甘い」。
TEDのスローガンは、“Ideas worth spreading”、すなわち、「広める価値のあるアイデア」を提示するところにあるが、そのアイデアが甘い(ように思えた)。
TEDxKyotoは今年が5年目ということだが、それに足るアイデアを持ったスピーカーを確保することは、想像以上に大変なのだろう(それは、当日のスピーカーのリストを見てもうかがい知れる――後になって思えば、だ)。
実際に参加してはっきりと分かったのは、「広めたいアイデアを持った人を見つける、めぐり合う方が先だ」ということ(さらにいえば、「ひとたび、広めたいアイデアを持った人にめぐり合ったならば、TEDxに頼る必要はない。自分でそのような場を作った方がよい」ということ)。
二つ目は、「そのアイデアをシェアしたいコミュニティを作る方が先だ」ということ。
TEDはもともと、何らかのコミュニティが先にあって、そのメンバーの一人が、「この人の話をみんなに聞かせたい!」と思って、みんなの前で話をしてもらったら、それがすごく良かった、というので続いたのではなかったか(知らんけど。――あ、いまWikipediaで調べたら、「講演会は1984年に極々身内のサロン的集まりとして始まった」とあった)。
当日、2時間以上の枠が用意されたアフターパーティに参加して、いろんな人と話もしたが、そこにコミュニティがあったかといえば、疑問符がつく。
つまり、私はコミュニティ・ビルディングの一つの方法としてTEDx南大阪を開催しようと目論んでいたが、①アイデアを持った人にめぐり合う方が先で、かつ、そのような人にめぐり合えば、必ずしもTEDxに頼る必要はない。②そのアイデアをシェアしたいコミュニティが無ければ意味が(あまり)ない――ということに気づかされたのだ。
ただし、TEDxKyotoの運営側にコミュニティがあることは疑いがない。だから、この話は、その運営側から体験できなかった者の無いものねだり、として聞いて下さっても結構だが、TEDxを通じてコミュニティを作ろうとするのは、そこにコミュニティ外からの「聴衆」を不可欠に求めることから、またそれを開催し続けることが目的になりかねない点から、危ないなあと思った。
よって、TEDx南大阪計画は、いったん棚上げしようと思います。
・・・ただ、山口千貴さんのプレゼンテーション(リンク先参照)がすごかった。
これ、やる。3年後に。
(・・・というアイデアをもらったという点では、TEDxKyoto、とってもよかったのよ。ideaは確かにspreadというか、sparkしました。あ、またここに”spark joy”(ときめき)が。笑)
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