悪意があるわけではなくて、ある意味信念を持って生きている。

先日から触れている、堺市の健診事業における偽装ボランティア問題について、なんと、こんな話になってきた。( ゚Д゚)


有償ボランティアと言いながら 実はパートでした

堺市の説明はでたらめ 健診の看護師

 堺市が保健事業を補助する看護師らと雇用契約を結んでいなかった問題で、市が看護師らについて「有償ボランティア」と説明しながら、実際には「パート看護師」と呼び、雇用関係を証明する書類なども作成していたことが分かった。また、市は4月から看護師らを会計年度任用職員として採用することを決めたが、賃金を切り下げる内容となっており、看護師らの反発を招いている。

 市の健診などに補助的業務に従事する看護師らは「保健医療業務協力従事者」と呼ばれ、毎年4月に指示されるシフトに従って1回3時間ほどの業務に従事。謝礼金として1回当たり6200円を受け取っていた。しかし、雇用契約を結んでいないため、有休休暇などの制度がなく、通勤時や業務中に事故に遭っても、労災に認定されない可能性もあった。

 市は看護師らの身分について「有償ボランティア」としているが、実際には「パート看護師」と呼ばれていて、多くの看護師もパートだと思っていたという。また、雇用証明書を市が発行することもあった

 永藤英機市長は記者会見で「みなさん、思いを持って有償ボランティアということで関わっていただいている。そこを雇用という形にするのが果たしてベストなのか」と述べたが、実際には「有償ボランティア」という意識を持って働いていた看護師はほとんどおらず、事実と異なる説明をしていた

 この点について、河盛俊生健康医療推進課長は「看護師らが雇用だと受けとめていたのは、市の落ち度」と説明している。 

 また、新年度からの雇用契約について市は看護師らに説明を始めているが、これまで1回3時間程度で6200円だった報酬が、時給約1300円に引き下げられる。更に、これまで従事していた全員が雇用されるとは限らないという。

 市は説明会で、雇用契約の必要性について十分に触れず「労基署に有休休暇取得を認められたため、雇用契約を結ぶことになった」などと説明しているため、「有休のために賃金が下がる」という誤解も多く、看護師らからは不満の声も上がっている。(「泉北コミュニティ」2020年2月13日号


上の、永藤市長の記者会見というのは、2020年1月8日に行われたこちら(全文テキストあり)で、具体的には、以下のようなやり取りがあった。


(朝日新聞)
 わかりました。あと1点、発表外なんですけれども、保健センターとかで、健診の補助をされている看護師さんとか、助産師さんについて、有給が取れないということについて、是正勧告が出されました。堺市は有償ボランティアという考え方でその方々を雇うというわけではないでしょうけれども、働いていたようなんですけど、その見解に否であるということが示されたようなんですけれども、受けとめを教えていただけますでしょうか。
(市長)
 労働基準監督署の是正勧告は重く受けとめています。一方で、これまでの有償ボランティア、協力従事者制度ということで3時間で、それぞれ有償ボランティアとして入っていただいていました。今回、労働者性があるということを指摘されてますが、一日ごとに手伝っていただける日程を指定して入っていただいてますので、その方々にじゃあ果たしてその年休、有給休暇という仕組みが適合するのかどうかというのが私も少し頭を悩ましているところです。これを堺市で実際に有給休暇を取得できる仕組みにしようと思えば、やはり雇用関係ということになるかなと思うんですが、そうすると来年度から始まる会計年度任用職員などの枠組みになりまして、そうすると今まで例えば、この日だけとか限定して入っていただいた方が働きにくくなるようなことも危惧されます。
 この仕組みは結構難しくて、雇用すればもちろん有給休暇ということもあり得るんですが、一方で報酬面であったり、働き方の制度であったりというのも課題がありますので、この内容については一度、国とも少し話をしてみたいなというふうには思っています。実際に、今皆さん、思いを持ってこの有償ボランティアということで関わっていただいていますので、そこを役所が雇用という形にするのが果たしてベストなのかどうか。実際に今、約180人の方が加わっていただいていると聞いておりますので、皆様方からお話を聞きながら、今後の進め方、対応を考えたいと思っています。
(朝日新聞)
 一応、年度更新なので春には決めていかないと、健診とかの業務にたちまち支障が出ると思うんですけれども、その辺のスケジュールもにらむと、今、国ともというのは働き方の枠組みとかも含めて考えるということですか。

(市長)

 そうですね。労働基準監督署が会計年度任用職員とか行政の雇用のあり方とか、そこまで今回考えて出していただいているのかわからないですけど、ちょっと感覚というのを私自身もちゃんとお聞きしてみたいなという感はあります。政令市の今の状況を確認しますと、有給休暇を雇用ではなくて、報酬であったり謝礼金でお支払いしているところで有給休暇というものを制度化しているところというのはないんですね。ですから今回、堺でこういうことになりましたら、どの自治体でもこういうことが発生し得ると思っています。これをじゃあ皆さん、有償ボランティアということで皆さんのご都合がいいときに従事していただいてる方々が雇用ということを望まれるのかどうか、それをするときに国の制度はどうなんだと、会計年度任用職員などの制度はどうなんだということも大きく関わってきますので、ここは市でもこうしますと言うよりも、今の国の制度のあり方というものを含めて考えないとなかなか難しいのかなと。そしてまた、もし会計年度任用職員などにするということになれば、今思いを持って有償ボランティアで働いている方々が、これからもその方たちが加わっていただけるのか。実際に従事していただける方が、特に医療関係、保健関係の方に手伝っていただけないようになっては、それはまた問題になりますので、ここについてはきっちりと事実関係と今後の方針を検討しながら進めたいと考えています。

(朝日新聞)

 わかりました。ありがとうございます。


もにゃもにゃと言っているが(具体的な内容は何もない、ゼロ回答。むしろ、「これまでの誤りを正す」とリーダーシップを発揮し、前任者との違いを見せた方がよほど言行一致だったろうに…)、以前のエントリでリンクを貼った「偽装請負を行う企業の何が卑怯なのかをまとめてみた」(株式会社アクシア代表取締役・米村 歩)の最初の部分みたく、

こういう人達は、一見正しそうに思える大義名分を掲げて「自分達のやっていることは正しい」と思い込んでいる分、単に有償ボランティアという屁理屈を活用して労働者の利益を搾取しようとする輩よりも、たちが悪いかもしれません。

とズバーンと言われるだけやろうな。


で、堺市は4月から、これらの”有償ボランティア”を、会計年度任用職員として採用することに決めたというのは、まさに

こういう人達に悪意があるわけではなくて、ある意味信念を持って生きているわけですので、こういう方達には自分達の側からだけ見える一方的な現状だけではなく、正しい知識を持っていただくことで良い方向に方向転換していただくことができれば、システム開発の業界改善のために絶大なパワーとなってくれる可能性を秘めているのかもしれません。

ということの結果で、めでたしめでたし。٩(๑❛ᴗ❛๑)۶


・・・という風には言えんやろうなぁ。(←市は説明会で、雇用契約の必要性について十分に触れず「労基署に有休休暇取得を認められたため、雇用契約を結ぶことになった」などと説明しているため、「有休のために賃金が下がる」という誤解も多く、看護師らからは不満の声も上がっている点について、「看護師らが『有休のために賃金が下がる』と受けとめているのは、『市の落ち度』と言わざるを得ない」という無限ループが、この後も続く・・・( ゚Д゚))


「偽装ボランティアに有給休暇を与えないのは法令違反」(その実態は、主:堺市、従:看護師ら、の指揮命令系統が明確に成立する労働(者)であり、看護師らの自発性に基づく活動(ボランティア)とは到底言えない)というだけではなくて、偽装ボランティアの”何が卑怯で何でダメなのか。自分達の側からだけ見える一方的な現状だけではなく、正しい知識を持ったうえで良い方向への方向転換を検討”してみたらいいと思う。

泉北コモンズ(仮)

「コモンズ」のコモンには、”顧問”と、”common(共有の/共同の)”を掛けています。 泉北に暮らす人たちの顧問'sになれるように、泉北に興味がある人たちの共有地(commons)になれるように、コモンの輪を少しずつ広げていきたいと思います。 あなたもよければ、泉北のまちの住民、応援住民、ふるさと住民、そして私たちの仲間になって下さいませんか? 2040年代の泉北は、自分たち/D!Yで創る

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