まだ「まちづくり」で消耗してるの? と言われないために~⑥

そもそもなぜ、私たちはブラックな働き方をせざるを得ないのか。私の学問的な背景は労働経済学にありますが、その理由の第一は、労働生産性の低さにあると考えています。とはいえ、これは「まちづくり」やブラック企業に特有の問題ではなく、日本全体の長年の課題――データ取得可能な1970年以降、日本の労働生産性は主要先進7か国の中で常に最低――でもあります。労働生産性とはすなわち、「労働の成果(付加価値)」を「労働量」で割ったものですが、付加価値が低いために、利益を確保するには労働量を増やすしかなく、結果として私たちは労働力を投入し続け、持続可能性の低い消耗戦を続ける羽目になりがちなのです。


私が大学で教えているキャリアデザインや、「まちづくり」の初心者向けワークショップでは、「人を動かす3つの輪」というものがよく紹介されます。「まちづくり」における低い労働生産性と消耗戦は、やりたいこと(①)とできること(②)にあまりに依存していて、まちの中にある高いニーズ(③)が生む高い価値にフォーカスしてこなかったことによるのではないでしょうか。今後、AI技術と自動化が社会全体でどれほど進展したとしても、意味を理解する人材、何に価値があるかをAIに教える人材は、AIによって代替されることがないと言われます。労働生産性の向上の鍵を握る、意味と価値を認識する人間と能力は、来るAI時代の日本社会において、またその一分野である「まちづくり」においても、きっと欠かせないはずです。

泉北コモンズ(仮)

「コモンズ」のコモンには、”顧問”と、”common(共有の/共同の)”を掛けています。 泉北に暮らす人たちの顧問'sになれるように、泉北に興味がある人たちの共有地(commons)になれるように、コモンの輪を少しずつ広げていきたいと思います。 あなたもよければ、泉北のまちの住民、応援住民、ふるさと住民、そして私たちの仲間になって下さいませんか? 2040年代の泉北は、自分たち/D!Yで創る

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