まだ「まちづくり」で消耗してるの? と言われないために~⑤ 消耗しないために
<消耗しない「まちづくり」のために>
私がいま主軸を置いているのは大学ですが、2020年代から30年代にかけて、現在人間が行っている仕事の約半分はAI技術により自動化されるという予想もあり、近年の大学教育界はAI社会で仕事を確保できる人材の育成に躍起になっています。その一方で、昨今の大学生は、就職活動でふた言目には「ブラックな働き方をしたくない」と言います。単純化して言えば、これまでのオトナたちが労働市場で生き延びることを重視する一方で、若者たちは――労働市場への入退場の前に――自らの自由が保障されないものにはNOと言いがちで、両者のベクトルはなかなかかみ合いません。私も年齢的にはオトナなので、「働き方云々の前に、無くならない仕事を選んだ方がいいのではないか?」と思いがちですが、どちらを犠牲にしてはいけないかと問われたら、若者の思いの方だろうと答えるほかありません。
ご案内のとおり、この手紙の副題は、プロブロガー・イケダハヤトさんの挑発的なブログタイトル「まだ東京で消耗してるの?」をもじっています。私たちは東京に象徴される都心部から離れた郊外に住み、そこを愛せる地元にしようとしているのに、もしこういう風に言われてしまったら、ショックですよね。「じゃあどうすればいいんだ?」と思ってしまいます。実は、「まちづくり」を中心的に担っている人ほど――直接の担い手ではないコンサルタントを含めて――ブラックな働き方をし、いつ終わるか分からない消耗戦を続けている人が少なくありません。そして、周囲のプレーヤーが思うように増えず、全体としての世代交代も遅々として進まないことを数多く見聞きしてきました。今は、まちのために自分を犠牲にすることは、自分や自分の組織だけでなく、まちの未来も奪うのだと考えています。
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