まだ「まちづくり」で消耗してるの? と言われないために~①はじめに
「まちづくり」に惑うあなたへ
~まだ「まちづくり」で消耗してるの? と言われないために~
<①はじめに>
Aさん、元気にされていますか。最近すれ違うことが多く、顔を合わせていませんね。ご家族との関係を含め、Aさん自身もこの活動への関わり方について悩んでいるらしいと聞きました。次にいつ話せるか分からないので、私の思いをまとめてお伝えしようと思い、筆をとっています。
私たちが初めて会ったときのことを覚えておられますか。「こういう場に参加するのは初めてなんですが」と遠慮がちに口を開きつつも、ご自身の考えを熱く語る姿を、私はよく覚えています。その後、仲間たちと取り組んだ努力が実を結び、そのお披露目の場にご家族を迎えたときのAさんの笑顔と立ち居振る舞いは、印象的でした。でもいつの間にか、生き生きした表情は減り、とくに大きな会議やイベントの前は無理を重ねているように見え、「ご家族は大丈夫かな?」という余計な心配をこちらがするようにもなりました。もちろん、Aさんの足が遠のいた原因が子育てや仕事など、この活動との間の優先順位が変わったためなら、それでもいいのです。けれども、活動への取り組み方自体に原因や問題があったとしたら、それを見直す意義はあるかもしれません。
私自身の経験について、これまで改めて話をしたことはありませんでしたね。私は「まちづくり」の世界で、主な活動の場や関わりの密度を変えながら、もう20年以上も活動してきました。ただ、それだけの年月を関わり、そこに夢を見て、また多くの可能性もあったにもかかわらず、今は自らの関わりを積極的に広げていこうとはしていません。以前の私は、この分野で各地から呼ばれるコンサルタントの一人になることも展望していましたが、実際の私がたどり着いたのは、「まちづくり」のコンサルタントよりは、「まちづくり」からの転向者、研究者兼DIYer(ディー・アイ・ワイヤー:自分でやる人)とでも言うべき立場でした。その経験と立場から、この手紙を書くことで、私たちのように「まちづくり」に関わった経験がある人に加えて、これまで関わって来なかった人や、すでに何らかの理由で「まちづくり」に懐疑的になった人にも、参考にしてもらえることを願っています。
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