私が「エキ・タカ」だったら…

2月15日のニュースリリースを受けて、翌2月16日に主要紙でも報じられたとおり、泉ケ丘駅のリニューアル工事終了後の新店舗として、高島屋が店を構えることになった。たとえば、朝日新聞だと、こんな感じの記事に。


仕事帰り・共働き世帯を狙う

高島屋は、4月に泉北高速鉄道の泉ケ丘駅(堺市)に新形態の「駅ナカ店」を設ける、と15日発表した。食料品などを扱い、仕事帰りの客や共働き世帯などを取り込むのがねらいだ。

新店舗は「エキ・タカ 泉ケ丘タカシマヤ」。泉ケ丘駅のリニューアル工事に伴い、改札前に約500平方メートルの店舗を設け、総菜や生鮮食品、酒などを扱う。営業時間は午前10時~午後9時。近くにある高島屋泉北店の営業時間(午後7時まで)よりも拡大する。高島屋は、新横浜駅(横浜市)にも駅ナカの店舗を開いているが、小規模店としては泉ケ丘が初めて。


私がこれを見てまず思ったのが、「あ、泉ヶ丘ひろば専門店街1階の成城石井は厳しくなるな」ということ。「成城石井 泉ヶ丘店」の売り場面積は55坪と、「エキ・タカ」(152坪/500平米)の3分の1しかない。営業時間こそ、「成城石井 泉ヶ丘店」は「エキ・タカ」より1時間遅い午後10時まで開いているが、この時間帯のわずか1時間で勝負できる量は知れている。


普通に考えて、駅のさらに南側の「泉北タカシマヤ」側から「成城石井 泉ヶ丘店」にアプローチする客は少ないだろう(商材の水準は重なっており、売り場面積もはるかに大きい「泉北タカシマヤ」でまず事足りる)。しかし、「成城石井 泉ヶ丘店」には、駅側(北側)からのアプローチがよい。また、「泉北タカシマヤ」は午後7時に閉店するが、「成城石井 泉ヶ丘店」は午後10時まで開店している。そういうわけで、これまではアプローチと営業時間の2軸で、両者のある程度のすみ分けが可能だった。

しかし、「エキ・タカ」ができてしまっては、駅側(北側)からのアプローチの点で、「成城石井 泉ヶ丘店」は断然不利(というか、客にとっては、行く理由がなくなる)、営業時間もほぼ変わらない。

泉北高速鉄道の親会社の南海電鉄が、泉ケ丘駅南エリアを、大阪府タウン管理財団から買収したのが2014年6月。それから南専門店街ビルをリニューアルして「成城石井 泉ヶ丘店」がオープンしたのが2015年10月。成城石井にとっては、「わずかな時間差でこれか! ひどいことをするよな~(=゚ω゚)ノ」という気分だろうか。成城石井、遠からず撤退するかもしれんな…。


なお、もし私が「エキ・タカ」をマネジメントするとしたら、①駅の北側の「コノミヤ 泉ヶ丘店」の客をごっそりもらっていく戦略と、②ウェブ予約&決済後の商品(※総菜、食材系メイン)の受け取りカウンター設置、の2点に力を注ぐと思う。

とくに②については、「時短」がさらに価値を高めるこの時代にあって、店舗に滞留するのでなく、「ピ」の音とともに、店舗を通過するがごとく使えるサービスを提供できれば、駅ナカ(地理的に有利)の小規模店(”現物”の品揃えは不利)という有利×不利をうまく使い、かつフォローできると考えるからだ(なにせ、泉ケ丘駅の乗降客1日4万人、電車に乗らず駅の南北を移動する人を含むとさらに多くの人が、店の前を通過するのだ。わずか152坪の店の中に滞留させていると、確実に客を逃す。「”現物”を見ずに(安心して)買える」のはブランドの価値の一つだし、若い年代の人々にはそれがすでに習慣になって久しく、今後もその勢いが増すことは確実。後ろにそびえる「泉北タカシマヤ」を、「エキ・タカの倉庫=amazon」にしてしまえばいいのだ)。

小さな店舗を、小さな店舗らしく運用するのでなく、「巨人の指先」として振る舞えばいいと思うんだけど、さて、どうだろうか。


※ちなみにこのニュースリリース、ウェブで確認すると、タイトルが「平成16年1月26日 - 4d7d03d0ed25a4837e7b0360565d7c3a.pdf」になってる。もう14年も前の古いファイルを修正しながら使い回してるのね…。タイトルは重要だし、検索にもひっかかる主要な要素の一つなので、誰か泉北高速鉄道さんに教えてあげて。(*'ω'*)


泉北コモンズ(仮)

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