大阪府住宅供給公社のDIY自由な団地?
2月に募集・抽選が行われた、大阪府住宅供給公社の「DIYで育てる暮らしプラン」が、月末のHOME'S PRESSで取り上げられていた。
<大阪府住宅供給公社のDIY自由な団地。夢を叶える「DIYで育てる暮らしプラン」>というタイトルなのだが、いやいや、「DIY自由」じゃないって。
公社住宅では、「自分の手でつくるDIY」ができるよう、一定のルールのもと、住宅内部のDIY施工部分については退去時の原状回復義務が免除されています。(DIYで育てる暮らしプラン)
というだけであって、「DIY自由」とはまったく謳ってない。詳しくは、団地カスタマイズにある通りで、それなりに厳しいルールが書いてある(そりゃそうだ)。
この記事、全体として結構不正確(※)で、なんだかな~と思いつつも、世間の記事はそういう部分を多分に持っていて、取材する方もされる方も、それぞれの思惑を織り込んでいるものなので、ま、そこはしょうがないのかな。
(※)たとえばこの下り。
ただ、作業を進めるうちに愛着がわき、賃貸契約をする参加者がいるだろうという予測ははずれた。すでに物件を所有している参加者が多かったからだ。このときDIYを施した部屋は人気があり、現在満室だが、リノベーションした本人が居住する形にはつながらなかった。
そもそもDIY R SCHOOLの開校にあたっては、同じ記事に書かれているような、古い空き部屋のリノベーション工事を、外部の無償の労働力を使って賄う狙いがあった。しかもその募集前には、「参加費を払ってまでしてDIY作業に加わる人が、本当にいるのか?」という危惧が強くあったとも聞いている。それに、このプロジェクトは堺市から補助金を受けており、泉北ニュータウンの若年人口流出に抗いたいという観点から、泉北ニュータウン外に住所を持つ若年層しか、入居申込ができなかったのだ。(そもそも、参加者の中で若年層は限られており、泉北ニュータウン外の住民はさらに限られていた。はるか遠方からの参加者もいた。)
つまり、そこにはいろんな事情があったわけで、それをこんな風に表現するのは、違和感がある。
それにしても、<夢を叶える「DIYで育てる暮らしプラン」>って、すごいタイトルだよな。そこで叶うのは、夢だったのか。
なお、公社はもともと、「DIYで育てる暮らしプラン」としか謳っておらず、それがもっとも事実に近く、正確なんだと思う。(というか、これは、空き部屋を合理的に減らしたい、しかも若い人に入居してほしいという「公社の夢」が叶うという意味か? ならナットク。)
なお、私がDIYの世界のとば口に立って強く感じるのは、<仕事を夕方5時に終えて、夢を叶える、DIYで育てる暮らし>ということなんだなぁ、ということ。「夕方5時」というのは、象徴的な言葉でもあるんだけど、この記事も触れている「団地コミュニティ」にしても、結局は、「生活の豊かさ(と、面倒臭さ)」なんだろうなと思う。平日も夜遅くまで仕事をしていたり、休日も寝たり、出かけたりしていたら、DIYなんか、やっている場合ではないのだ。
・・・ということが、この際、よーく分かった。(笑)
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