地域全体が本当に豊かになるようにはどうしたらいいか?

山田(桂一郎:「世界のトップレベルの観光ノウハウを各地に広める」観光カリスマ@国土交通省観光庁)――シェルマットのように住民が幸せそうに生活している場所は、訪れた人が「自分も住んでみたい」と感じ、何度も足を運びたくなる。いわば、テーマパークのような一時的な「非日常」性ではなく、地域に根付いたライフスタイルの「異日常」性が、最大の売りポイントです。

そういう魅力ある地域にするためには、幅広い層の住民が主体的に参加しながら、まず地元が抱える問題点を明らかにし、長期的な視野に立った地域全体のマネジメントを話し合う場が必要です。(中略)

役所の方に「人を集めてください」と言っても、大抵、地元の役職者しか集まりません。そういう人たちは概して発想が現状維持的なので、いい議論にならない。それよりも、講演の後に興味をもって話しかけてきてくれたおじさん・おばさんや、町の歴史に詳しい人、町でそば打ちの名人や鮎獲りの達人などと呼ばれている人に、積極的に声をかけるようにしています。そのときに、「観光振興をしましょう」と言ってしまうと、大多数の人は「自分には関係ない」と思ってしまうので、それはちょっと置いておいて、まず地域全体が本当に豊かになるようにはどうしたらいいか、という議論から始めます。 だから、観光業の方よりも、むしろ農林漁業従事者や、その地域で個人事業をやっているような方が参加してくださるほうがありがたいし、それ以上に、実は専業主婦の方や子どもたちに入ってもらうことの方が大事です。そういう人たちが動かないと、地域全体の問題・課題として認識されないですから。

藻谷――それはすばらしいですね。日本では、「何のためにやるのか」という問いかけがないまま、とりあえず新幹線を誘致しよう、とりあえず道路を敷こう、イベントで人を増やそうという話になってしまう例が多い。スイスでは、観光振興よりも、まず地域が豊かになり、住民が幸せになることを考えるんですね。

山田――そうですね。ツェルマットでは、「将来世代も含めて、自分たちのコミュニティが幸せに生きていくために動く」という目的意識が浸透しています。(藻谷浩介『しなやかな日本列島のつくりかた』新潮社、2014年、pp.82-83)


私たちが泉北で取り組まねばならないのは、

  1. 訪れた人が「自分も住んでみたい」と感じ、何度も足を運びたくなる、地域に根付いたライフスタイルの「異日常」性を自らの魅力として発信できる地域にするために、幅広い層の住民が主体的に参加しながら、まず地元が抱える問題点を明らかにし、長期的な視野に立った地域全体のマネジメントを話し合う場を作ること。
  2. そこでは、観光振興はちょっと置いておいて、まず地域全体が本当に豊かになるようにはどうしたらいいか、という議論から始めること。しかも、専業主婦の方や子どもたちにも入ってもらうことで、そのことが地域全体の問題・課題として認識されること。 そこにあっては、「将来世代も含めて、自分たちのコミュニティが幸せに生きていくために動く」という目的意識を共有・浸透しておくこと。

・・・なのかなあ。

泉北コモンズ(仮)

「コモンズ」のコモンには、”顧問”と、”common(共有の/共同の)”を掛けています。 泉北に暮らす人たちの顧問'sになれるように、泉北に興味がある人たちの共有地(commons)になれるように、コモンの輪を少しずつ広げていきたいと思います。 あなたもよければ、泉北のまちの住民、応援住民、ふるさと住民、そして私たちの仲間になって下さいませんか? 2040年代の泉北は、自分たち/D!Yで創る

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