ときめく組織論(第11話)
前回、「自分事」という表現の由来について触れました。
実は、その出発点にある「他人事」という漢字は、本来は「ひとごと」と読むのだそうです。
もともと、「ひとごと」を漢字にする段階で、より一般的に使われる「人事(じんじ)」と混同されるのを避けるため、「他人事」という漢字を使うようになった。すると、この表記からまた音が派生して、「たにんごと」とも読まれるようになったようなのです。
「他人事」(ひとごと/たにんごと)と対になる言葉を考えると、実は「自分事」以外にもう一つ、浮かんでくるものがあります。そう、「私事」(わたくしごと/しじ)です。
前回の最後に、「地域を良くしよう」として始まった活動や事業が往々にして、個人としても組織としても「あなた(たち)の課題解決」をしているにすぎないように見えてしまうのはなぜだろうか、と問いました。
それは結局のところ、その課題解決が、個人または組織の「私事」の域を超えていない(ように見える)からではないかなあ、というのが、いまの私の考えです。
それはなぜなんでしょうか。私たちには、いったい何が足りなかった/足りないのか?(つづく)
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