ときめく組織論(第10話)
「地域を良くしよう」という動機が、自分の中から出てくること自体は、悪くないと思います。
ちょっと脇道にそれると、こういう始め方を、「自分事(ごと)にする」「マイ・プロジェクト化する」と言ったりします。
皆さんもきっと耳にしたことがあるだろうこの言葉:「自分事」というのは、比較的若い言葉で、「他人事」という言葉から作られた言葉だそうです。
すなわち、社会に何か課題があって、それについて自分は関係ない(=他人事)と思っていたのが、あるときに、自分もその責任の一端を担う当事者の一人だという意識をもち、解決に向けて取り組み始める――そんな変化と姿勢を、「その課題を、他人事ではなく、自分事として受けとめるようになった」というように表現します。
もとの話に戻ると、「地域を良くしよう」として始まった活動や事業は、往々にして、「あなたの働き」にとどまって、広がりを必ずしも持たないものです。
それはなぜか。
それは、その働きが、個人としても組織としても、「あなた(たち)の課題解決」をしているにすぎないように思えるからではないでしょうか。
では、それはなぜ、そのように見えるのか?(つづく)
0コメント