「まち・ひと・しごと」もどうしてひらがな?

だったら、「まち・ひと・しごと」については、なんで平仮名なんだ? という、当然出てくるであろうご質問にお答えします。


といっても、その質問にお答えするのは私ではなくて、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局・内閣府地方創生推進室・参事の溝口 洋さんはこう書いています。


【「まち・ひと・しごと創生」と平仮名を使う意味】

 法律上の表記として、漢字が使えるにもかかわらずわざわざ平仮名を使っている例は、多くはない。いうまでもなく、漢字で表現するのが通常なのであれば、法律上の用語としても、当然漢字で表記すべきだからである。

 しかし、創生法における「まち」・「ひと」・「しごと」とは、単に「町」(又は「街」)・「人」 ・「仕事」ではない。

 ここでは、「しごと」を例にとって説明すると、「しごと」といっているのは、「仕事」であれば何でもよい<ということではない>(カッコ内傍点)ということを表現しようとしているのである。

まち・ひと・しごと創生における「しごと」とは、安定した雇用形態で、相応の対価が支払われ、やりがいがある仕事、すなわち特に若者にとって魅力のある、“質の良い雇用”を増やしていかなければならないというのが基本的な考え方である。

 同様に、「まち」については、行政単位や地理的エリアだけを想起させる「町」や「街」ではなく、「一人ひとりが夢や希望を持ち、潤いのある豊かな生活を安心して営むことができる場所」を、「ひと」については、単なる生物的な意味や法律上の主体としての「人」ではなく、「地域で活躍し、地域づくりを担う人材」という意味を込めている。

(溝口洋「まち・ひと・しごと創生の経過と今後の展開」『アカデミア』vol.113、p.41、2015年)


なるほどね~。よくできてるなー、と感嘆するも(”アベノミクス”が引き継ぎ、生み育ててきたのは、「質の悪い雇用」以外の何物でもないじゃんか、という批判はこの際、捨て置く。いやまあ、捨て置けないんだけどさ。)、その実、


漢字があるにもかかわらず平仮名表記をする「まち」、「ひと」及び「しごと」、そして用例のない「創生」という単語、いずれもそのまま使うことは、内閣法制局の審査を通らない。そこで、「まち・ひと・しごと創生」を意味するフレーズを名詞で終わらせる形で書き下し、それを「まち・ひと・しごと創生」と定義するという手法を採ることとしたわけである。(溝口洋「まち・ひと・しごと創生法の法制的論点」『自治体法務研究』No.40、p.48、2015年)


という話もあって、一筋縄ではいかないのでした。

泉北コモンズ(仮)

「コモンズ」のコモンには、”顧問”と、”common(共有の/共同の)”を掛けています。 泉北に暮らす人たちの顧問'sになれるように、泉北に興味がある人たちの共有地(commons)になれるように、コモンの輪を少しずつ広げていきたいと思います。 あなたもよければ、泉北のまちの住民、応援住民、ふるさと住民、そして私たちの仲間になって下さいませんか? 2040年代の泉北は、自分たち/D!Yで創る

0コメント

  • 1000 / 1000